

「美容師は副業禁止のサロンが多いの?」
「就業規則で禁止されていたら、副業はできない?」
「美容室以外の仕事なら問題ない?」
美容師の副業は、法律ですべて禁止されているわけではありません。
ただし、勤務先によっては副業禁止になっています。
許可や届け出が必要な場合もあります。
まず確認したいのは、やりたい副業ではなく就業規則や雇用契約書です。
私も美容師として働きながら、記事の執筆や動画編集、Web制作をしています。
副業を始める前に、勤務先のルールや本業への影響を確認しておくと判断しやすくなります。
- 副業禁止の美容室で最初に確認すること
- 他店美容師やSNS副業で注意するポイント
- 副業で得た所得が20万円を超えた場合の確定申告
- 副業が勤務先に知られる主なきっかけ
- 副業できない場合の収入アップ方法
副業禁止だからといって、すぐに諦める必要はありません。
まずは自分の勤務先がどのルールに当てはまるのか確認していきましょう。
美容師が副業禁止でもできるかは就業規則と副業の内容で判断する

副業できるかは、勤務先で決められているルールまで確認して判断します。
法律では副業がどう決められているか、勤務先のルールで何を確認するか、
副業禁止と書かれていた場合の確認方法を整理します。
自分がどのルールに当てはまるのか確認していきましょう。
美容師の副業は法律で一律に禁止されているわけではない
美容師だから副業できないという法律はありません。
厚生労働省は、2018年にモデル就業規則を改定しています。
モデル就業規則とは、会社が就業規則を作るときに参考にできるルールの見本です。
副業について、主に次の内容が見直されました。
- 勤務時間外に、ほかの会社などで仕事ができる内容を追加
- 「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除
一方で、法律で副業が禁止されていないことと、勤務先で自由に副業できることは別です。
厚生労働省のガイドラインでは、副業を認める方向を示しつつ、
働く時間や健康への影響なども確認する内容になっています。
このため、「副業禁止と書いてある会社は違法」と一律には判断できません。

「法律で禁止されていないなら、勤務先に止められても副業していいの?」
勤務先には独自のルールがあるため、自分の雇用契約書や就業規則まで確認してください。
就業規則は副業OK・届出制・許可制・禁止の4つに分けて確認する
就業規則を見たら、副業に関するルールを4つに分けて確認してください。
就業規則とは、働く時間や休日、副業などについて勤務先が決めたルールです。
会社によって、副業のルールは違います。
自由にできる場合もあれば、会社への届け出や許可が必要な場合もあります。
| 勤務先のルール | どんなルール? | 次にすること |
|---|---|---|
| 副業OK | 副業できる | 届け出が必要か確認する |
| 届出制 | 会社に伝えれば副業できる | 必要な届け出をする |
| 許可制 | 会社の許可を得れば副業できる | 許可を申請する |
| 副業禁止 | 副業が認められていない | 何が禁止されているか確認する |
| 記載なし | 副業について書かれていない | 雇用契約書や勤務先に確認する |
就業規則だけで判断できない場合は、雇用契約書も確認してください。
雇用契約書は、給料や働く条件など、勤務先との約束が書かれた書類です。
店長やオーナーから「うちは副業禁止」と直接聞いている場合も、就業規則や雇用契約書を確認してください。
副業について書かれていない場合は、自分で決めつけず、勤務先へ確認してください。
副業禁止なら黙って始めず禁止されている範囲まで確認する
「副業禁止」と書かれていたら、何が禁止されているのかまで確認してください。
禁止されている仕事だけでなく、禁止する理由が書かれているかも確認します。
「副業」という言葉だけでは、どの仕事まで禁止されているのか分からない場合があります。
確認したい範囲は次の4つです。
- ほかの会社に雇われる仕事
- 会社に雇われず、個人で仕事を受ける業務委託
- SNSなどで収入を得る活動
- 今の美容室と同じような仕事
例えば、アルバイトだけを禁止しているのか、個人で収入を得る仕事まで禁止しているのかで判断は変わります。
「美容室以外の仕事なら問題ない」と自分だけで判断するのは避けてください。
就業規則を読んでも分からない場合は、勤務先へ確認します。
禁止されている範囲が分かれば、副業を始めるか、別の方法を選ぶか判断できます。
美容師の副業は仕事内容によって競業・顧客・本業へのリスクが変わる

副業が認められていても、仕事内容によって確認するポイントは変わります。
特に、別の美容室で働く場合と、美容室以外で副業する場合では注意する内容が違います。
副業の種類ごとに分けると、自分が何を確認すればよいのか判断しやすくなります。
別の美容室で働く副業は競業と顧客情報を最優先で確認する
別の美容室で働くなら、今の勤務先と仕事が重ならないか、
お客様の情報を使わないかを確認してください。
競業とは、今の勤務先と同じような仕事をして、売上やお客様を取り合うことです。
他店で美容師として働くほか、面貸しやシェアサロンで施術する場合も確認が必要になります。
別の美容室に雇われる場合と、
面貸しやシェアサロンで業務委託として働く場合では、確認する内容も変わります。
業務委託とは、会社に雇われず、個人で仕事を受ける働き方です。
特に注意したいのは、次のような行動です。
- 今の勤務先のお客様を副業先へ呼ぶ
- カルテや連絡先などのお客様情報を使う
- 勤務先で知った情報を副業に使う
- 勤務先と同じ地域やお客様を対象に美容師として働く
勤務先から「ほかの人や会社に教えてはいけない」と決められている情報も、
副業に使わないよう確認してください。
美容師免許を持っていても、勤務先とのルールを確認せず、
自由にほかの美容室で働けるとは限りません。

「休みの日だけなら、別の美容室で働いても問題ない?」
他店で施術したい場合は、
勤務先のルールで競業やお客様の情報について何が決められているか確認してください。
別の美容室でも働きたい方は、2店舗を掛け持ちするときの注意点も確認してください。
SNS・Web・物販の副業も収益が出るなら勤務先のルールを確認する
美容室以外の副業でも、収入を得るなら勤務先のルールを確認してください。
YouTubeやInstagramへの投稿など、お金を受け取らない活動と、
お金を受け取る活動では扱いが変わる場合があります。
SNSに作品や日常を投稿するだけなのか、広告収入やPRの報酬を受け取るのかでも違います。
収入を得る場合は、勤務先の副業ルールに当てはまるか確認してください。
例えば、次のような活動です。
- YouTubeで広告収入を得る
- InstagramでPRの報酬を受け取る
- ブログやSNSでアフィリエイト収入を得る
- Webライターとして報酬を受け取る
- ネットで商品やハンドメイド作品を販売する
アフィリエイトとは、ブログやSNSで商品やサービスを紹介し、条件を満たすと報酬を受け取れる仕組みです。
美容室以外の仕事でも、勤務先への確認が必要になる場合があります。
店内の画像やお客様の写真、勤務先の名前などを使う場合は、使ってもよい情報なのかも確認が必要です。
収入を得る活動を始めるなら、仕事内容と使う情報が勤務先のルールに反していないか確認してください。
美容室以外で副業したい方は、在宅でできる仕事も確認してください。
副業の種類は競業・顧客・労働時間の3項目で比較する
副業を選ぶときは、競業・お客様や勤務先の情報・働く時間の3項目で比べてください。
仕事内容によって、本業と重なる部分や確認する内容が違います。
例えば、同じ月3万円を目指す場合でも、必要な作業時間は副業によって変わります。
| 副業 | 本業と仕事が 重なる可能性 |
お客様・勤務先の情報 | 働く時間 |
|---|---|---|---|
| 他店美容師 | 確認が必要 | 特に確認する | 本業との両立を確認する |
| ヘアメイク | 内容による | 内容による | 仕事に使う時間を確認する |
| SNS収益化 | 内容による | 投稿内容を確認する | 投稿などに使う時間を確認する |
| Webライター | テーマによる | 書く内容を確認する | 作業時間を確認する |
| 飲食などのアルバイト | 比較的重なりにくい | 基本的に少ない | シフト時間を確認する |
副業に使える時間は、人によって違います。
「いくら稼げるか」だけで選ばず、仕事の内容や使える時間を比べて選んでください。
美容師が副業で失敗しないために税金・知られる経路・本業への影響を確認する

副業を始めるなら、勤務先のルールだけでなく、税金や本業への影響まで確認してください。
副業を始めたあとに困らないためには、事前に確認しておきたいことがあります。
確認するのは次の3つです。
- 確定申告
- 副業が勤務先に知られるきっかけ
- 無理なく続けるための時間の使い方
副業所得が20万円を超える場合は確定申告が必要か確認する
会社員として働く美容師は、副業で稼いだ金額や受け取り方によって確定申告が必要になります。
会社員は、毎月の給料から税金が引かれています。
1年間の給料と税金を会社が確認し、払いすぎや不足を調整するのが年末調整です。
1か所の会社から給料をもらい、年末調整をしている人は、
副業の所得が20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。
20万円は、副業の売上ではなく「所得」で判断します。
所得は、副業で入ってきたお金から、仕事に必要だったお金を引いたあとの金額です。
例えば、副業で30万円を稼ぎ、仕事のために15万円を使った場合、所得は15万円になります。
所得の計算例
副業で入ったお金 - 仕事に使ったお金 = 所得
副業所得が20万円を超えるかどうかで、所得税の手続きは変わります。
| 副業の所得 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 20万円超 | 原則、確定申告が必要 | 確定申告に含める |
| 20万円以下 | 条件によって確定申告が不要 | 別に申告が必要な場合がある |
副業がアルバイトなどで、給料としてお金を受け取る場合は条件が変わります。
20万円以下なら、税金の手続きが何も必要ないわけではありません。
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。
住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。
所得税の確定申告は、 原則として副業で所得を得た翌年の2月16日から3月15日までに行います。
申告期限は年によって変わる場合があるため、その年の国税庁の案内を確認してください。
自分で判断できない場合は、税務署や住んでいる市区町村へ確認してください。
副業は住民税だけでなくSNS・同僚・お客様から勤務先に知られることもある
副業が勤務先に知られるきっかけは、住民税だけではありません。
SNSの投稿を見られたり、同僚やお客様から話が伝わったりする場合もあります。
主なきっかけは、次の3つです。
- 人から知られる:同僚・お客様
- ネットから知られる:SNS
- 仕事や手続きから知られる:他店勤務・本業への影響・税金
「住民税だけ気をつければ知られない」とは判断できません。

「勤務先に知られないようにすれば、副業しても大丈夫?」
勤務先に知られるかどうかと、副業してよいかどうかは別の話です。
知られたときに困る副業なら、勤務先のルールに反していないかを始める前に確認してください。
「知られない方法」より、「知られても問題なく続けられる副業か」で判断してください。
営業や練習に影響するほど副業するなら収入より時間を見直す
副業で収入を増やせても、営業や練習、睡眠に影響するなら時間の使い方を見直してください。
美容師は営業時間だけで1日が終わるとは限りません。
練習や講習が入る場合もあるため、副業に使える時間は人によって違います。
私の場合は、仕事が終わったあと、21時から23時までの2時間をカフェで作業に使っていました。
営業時間中の空いている時間にも作業していた時期があります。
会社を辞める前は、周囲から手伝いを求められそうな場面でも作業を続けていました。
居心地が悪くなり、嫌味を言われることもありました。
この経験から、副業に使える時間だけでなく、
本業の人間関係に影響せず続けられるかも見ておいた方がよいと感じています。
副業を始める前に、次の時間を書き出してみてください。
- 営業時間
- 通勤時間
- 練習や講習の時間
- 睡眠時間
- 副業に使える時間
月に欲しい副収入を決めたら、それを稼ぐために何時間必要なのかを考えます。
その時間を、今の生活の中で無理なく作れるか確認してください。
睡眠時間を減らしたり、営業中に集中できなくなったりしないかも確認します。
「稼げるか」だけでなく、「この生活を続けられるか」で判断してください。
美容師が副業禁止ならルールを確認して収入を増やす方法を選ぶ
美容師が副業できるかは、勤務先のルールと副業の内容を確認して判断してください。
就業規則や雇用契約書を確認し、自分ができる副業を整理します。
副業を始める前に、今の仕事やお客様に問題が出ないか、税金の手続きが必要か も確認してください。
副業禁止で始められなくても、収入を増やす方法は副業だけではありません。
- 本業の売上を増やす
- 給料や歩合などの条件を見直す
- 歩合率の高い美容室へ転職する
- 業務委託に働き方を変える
- シェアサロンや独立を検討する
副業したい理由が「今の給料だけでは足りない」なら、副業だけに絞る必要はありません。
例えば、月2〜3万円増やしたい場合 でも、副業で稼ぐのか、働き方を変えるのかで必要な時間は変わります。
月にいくら増やしたいのかを決め、副業以外の方法とも比べてみてください。
「副業できるか」だけでなく、「なぜ収入を増やしたいのか」まで考えて、自分に合う方法を選んでください。
